アマチュア無線とインターネット

ECHOLINK と eQSO

 ノイズや混信にもめげず、珍局やDXをゲットしたとき、あるいはつたない英語で外国の局と交信できたときなどの感激は格別のものがありますが、その一方で、技術的な話をゆっくりしたい、英語でもっと頻繁にいろいろなことを話して会話の勉強もしたい、というのは不安定な電波環境ではなかなか難しいものがあります。 しかしだからといってインターネットの単なるチャットや特定のグループのメッセージ交換では無線の話ばかりというわけにもいきませんし、そもそも胡散臭さがあって、ちょっと腰がひけてしまいます。

 こうした中で、アマチュア無線とインターネットの利点をうまく組み合わせたネットワークシステムが広がりつつあります。これらのシステムは 従来のなじみのある無線の運用形態がそのまま通用しますので、初めて利用する人でも違和感がありません。 しかもコールサインの登録・記入が必要ですので、わけのわからない匿名の人とわけのわからない話に陥る心配も少ないでしょう。 ここではこうしたシステムのうち、実際に当局が使ってみた ECHOLINK と eQSO 両ネットワークについてご報告します。

ECHOLINK

 K1RFDが多くのアマチュアの協力でつくったフリーのソフトで、このサイトからダウンロードできます。ソフトを立ち上げるとコールサインのリストが出てきますが、これらの局はCQを出している、というわけですからコールをダブルクリックすると、その局とインターネットでつながります。インターネットは常時接続のADSLなどのほか、公衆回線の速度の遅いものでもOKだそうです。接続されたらば、スペースキーを押すと送信モードになりますので、PCにマイクを接続して相手と話す、という簡単なもの。交信の仕方はまったく無線と同じで、通常は一方通行。 コールを呼び合ったり、73と言ったりも同じですが、違いは59などのレポートを送っても意味がないということ。音質は当然ノイズもなく、FM交信以上の快適さ。リストに載っていても、席をはずしてPCから離れていると呼んでも返事がない、ということもあります。 ちょっとこれを聞いてください。ECHOLINKで日本の局と交信したものですが、無線交信みたいでしょ。

アジアのサーバーには10月現在でだいたい600局ぐらいが常時リストアップされていますが、日本の局も10局ぐらいはたえずいますので、日本語でもOK。 米国の局が圧倒的に多く、無線の世界では雑魚あつかいで呼ばれもしないJAですが、ここではたった一日でつぎからつぎへと呼ばれる状況。1年分の英会話を一日で済ませてしまいました。一対一の交信のほか、設定を変更すると5人まで同時に接続が可能です。またレピーターを介しての無線交信もリンクされているようです。声での交信のほか、画面から文字入力も同時に可能ですので、裏会話やマイクが壊れてもRTTYのように通信できます


 ソフトを立ち上げた画面は左のようになっています。このリストに載っている局がCQを出しているというわけです。相手が呼んできたり、こちらから呼ぶと@に接続状況が表示されます。接続されると CONNECTED。スペースバーを押して送信を開始するとマイクのレベルメーターがここに現われます。

 接続されると相手局プロファイル、すなわち名前・住所などがAに表示され、こちらのプロファイルも先方へ表示されることとなります。従って無線と違って相手の名前が良くわからなかったということはありません。プロファイル内容はいつでも書き換えられますし、不都合なことは書く必要もありません。

 Bのエリアは文章を送受するときにつかいます。ここに文字を打ち込んでエンターを押すと文字が送信できます。相手の送った文字もここに表示されます。2人がしゃべっているときに3人目の文字もここに表示されますので便利です


 ECHOLINK
を利用するとき、いくつか留意点があります。 これらをパスあるいは確認しないと接続できなかったり、CONNECTED になっても声が通らなかったりしますので、注意が必要です。

@データベースにコールを登録するには審査が必要です。コールとemail address を連絡するだけで簡単で、私の場合は1,2時間でOKとなりました。ローカル局の場合は1,2日かかったり、ECHOLINK のボランティア局から問い合わせがメールであったりしました。コールがQRZ.COMやFCCなどの公式サイトに登録してあったりすると早いようですが、そうでないとメールで公式局であることの説明などを求められるようです。こうしたことは一見めんどうくさそうですが、安心してリストの局と交信できるのもそのおかげ。

 AつぎにMICとスピーカはもちろん必需品。MICについては特に難しいことはなく、PC用の安いやつを買ってPCのMIC端子に接続するだけですが、無線用やオーディオ用は高級すぎてレベルがあわなかったり、別電源が必要だったり、コネクター結線が違っていたりで思わぬトラブルになることあり。念のために事前にコントロールパネルのハードの音声のテストを利用してループおよび音量テストをしておいた方が無難です。

BECHOLINK では通信ポートに以下の3つを必要とします。ルーターやFirewall は通常これらのポートを通過許可していませんので設定が必要です。設定方法はルーターの機種によって異なりますので説明書をよく読むしかありませんが、FOWARDING あるいはNAT変換などの項から設定するようです。基本はポート5200をTCPプロトコルでWAN側から自分のPCのIPアドレスに向けて開くように設定すること。また5198と5199はUDPで同様に設定する必要があります。 これらができていないと、ECHOLINKのリストには搭載されても、呼ぶと CONNECTED にならなかったり、CONNECTED になっても送受ができない、という症状になります。

 ECHOLINKやポート設定はほかにもこんなサイトでも紹介されていますので、参考にしてください。ECHOLINKを利用して打ち合わせながら、実際の無線交信でいろいろ調整しながら実験を試みるなど、いろいろな使い方ができると思います。最後にWの局とのECHOLINKでの交信サンプルを聞いてください。



ソフトを立ち上げると左のようになりますが、このままでは使えません。下の方にコールサインとコメントを入れます。コメントは、とりあえず受信だけして見ようというならば RX only とか、Monitoring とか入れる人が多いようです。

 どんな局が出ているのかは、その少し上の、See Who's on the system をクリックします。すると別画面で左下のようなリストが現われます。 ここには世界中のゲートウェイ局が掲載されています。またそこには今どんな局がコネクトしているかも表示されています。そのうちアクセス・参加してみたいサーバーを選んで、Connect To Selected Room をクリックすると、そのサーバーに接続されたことが、元の上の画面に表示されます。





 コネクト成功ならば、自分のコールサインとともに、そのサーバーにコネクトしている他の人のコールサインも表示されますが、コネクトできなかった場合は unsuccess などが表示されます。こうしてそのサーバー各局の交信を聞くことができます。タイミングを見てPTTを押すと送信することができます。このPTTは押しっぱなしにしないと、受信に戻ってしまうようです。

 QSOしている各局が新規参加に気づいて、たいていの場合はラウンドQSOに入るようにタイミングを空けてくれますが、タイミングがなかなかつかめない場合は、コメント欄から Let me try next などと文字を送信してみるのも有効でしょう。



by JH1QKG 20 Oct2002